2012年7月28日土曜日

NSABP B-43

今日はポートピアホテルで昭和大学乳腺外科 中村清吾教授の講演でした。抗HER2薬剤に関する話題で大変勉強になりました。特に印象に残ったのは、DCISHER2の関係性についての部分で、講演の中で、NSABP B43という臨床試験の紹介がありました。DCISに対してLumpectomyを行い、RT中に2回だけTrastuzumabを投与することで局所再発が抑制できるかどうかをみるP-3 trialです。T-mabRTの感受性を高める可能性があるかもしれないという基礎のデータから考えられたTrialだそうです。その後も、色々とDiscussionでき、有意義な会でした。


2012年7月21日土曜日

第5回京都マンモトームセミナー

第5回京都マンモトームセミナ―で当院のステレオガイド下マンモトームの現状を発表してきました。内容の一部をアップします。











2012年7月18日水曜日

化学療法センターモーニングカンファレンス

デノスマブによる低カルシウム血症の事例について検討しました。

•デノスマブ・・・・骨吸収抑制 (骨形成促進)
                   
血中へカルシウムが出にくくなる
                    ↓
低カルシウム血症


【低カルシウム血症の症状】
テタニー症状 (手指、くちびるのしびれ)
全身けいれん、不穏、興奮、せん妄、幻覚
不整脈 (QT延長)
嘔吐・下痢
皮膚乾燥 等

【低カルシウム血症の予防・治療】
・ビタミンD、カルシウム製剤の投与

2012年7月16日月曜日

EMT

EMT: epithelial mesenchymal transition 上皮間葉転換

・癌が浸潤するために、間葉系細胞様の形質を獲得する。転移、再発に関与する重要な現象。
・TGF-βが癌細胞のEMTを誘導。
・癌組織に発生するEMT・・・type3 EMTと呼ばれる。
(type1,type2は生理的なEMT)

2012年7月8日日曜日

KBCOGセミナー


7月7日はKBCOGセミナーでした。
埼玉医科大学 佐伯教授のレクチャーで、支持療法とRDIを下げないように治療することの重要性を勉強しました。

Dose intensity(DI)= 単位時間当りの薬剤投与量(mg/m2/週)
Relative dose intensity(RDI)= 標準治療のDIに対する実際に投与したDIの割合

RDIが下がると治療効果も下がる。

Surgical Margins in Lumpectomy for Breast Cancer — Bigger Is Not Better

NEJMより、局所治療もbiologyが重要であるという投稿。
Surgical Margins in Lumpectomy for Breast Cancer — Bigger Is Not Better
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsb1202521?query=TOC

・乳房温存術のエビデンスが出てから20年以上経つが、適切なマージンについては今だ決まったものがなく、20-30%がreexcisionを受けている。
・実際はマージンnegativeだが、’close’ということで、よりwide clear marginを得る目的のreexcisionが約半分ある。
・様々な臨床試験があるにもかかわらず、適切なマージンがどれくらいか(1mm ?, 2mm ?, 5mm?)不明。
・ベストマージンを考えた時、negative marginとは、癌遺残が全くないことを意味するのではなく、RTでコントロールしうるだけのものより、遺残が少ないことを意味する。
・昔と比べて、局所再発率は下がっているが、それは全身療法によるところが大きい。
・biologyも局所再発には重要で、特にTNBCは局所再発が多い。
・その他、MRIやZ0011試験についての考察。



→まとめとして、wider marginがlocal recurrenceを減らすエビデンスはない。それよりもbiologyと全身療法の方がlocal controlに与える影響が大きい。マージン〇〇mm以内でないといけないという考えをなくせば、再切除率が減ると結ばれていた。

2012年7月4日水曜日

兵庫県の乳がん検診率

なんとかせねばなりません。。。
厚生労働省のホームページより

2012年7月3日火曜日

PI3K pathway

JCOより↓
http://m.jco.ascopubs.org/content/early/2012/06/27/JCO.2012.42.1271.full.pdf

・phosphatidyl inositol 3-kinase (PI3K) pathway は cell growth, proliferation, survivalなど、critical cellular processをmediate する。
・Mammalian target of rapamycin (mTOR)にはmTORC1とmTORC2がある。
・EverolimusはmTORC1に作用。
・mTORC1は下流のS6K1,4E-BP1を活性化
・PI3K pathwayの活性化はホルモン治療抵抗に関連している。
・S6K1はERのactivation domainを直接リン酸化する。

2012年7月2日月曜日

primaryとrelapseでのbiological change

JCOのearly releaseより。
primaryとrelapseでのマーカーのdiscordance. ER 33.6%, PgR 32%, HER2 15.7%.再発巣でERがnegativeになると死亡リスクが48%上昇する。
http://jco.ascopubs.org/content/early/2012/06/18/JCO.2011.37.2482.abstract)


Dr.Amirらの報告(Amir E et al. Tissue confirmation of disease recurrence in breast cancer patients: Pooled analysis of multi-centre, multi-disciplinary prospective studies. Cancer Treat Rev (2011), doi:10.1016/j.ctrv.2011.11.006)
では、それぞれ、12.6%, 31.2%, 5,5%



いずれにしても、前治療の影響や時間軸に伴ってbiologyが変化するのは間違いない。
ただし、ER,PgR,HER2の変化はごくごく表面だけを見ているもの。真のbiological changeはもっとdrasticに起こっているのだろう・・・・
その理解が深まり、より正確なtailor-made治療ができるようになる時代がいつか来ると信じています。


2012年7月1日日曜日

pCRとaccelerated drug approval

pCRをサロゲートとしてaccelerated approvalすることに対する、NEJMのコメント。
―accelerated approvalではlong term toxic effectの評価等々できない。ineffective therapyにより本来curableである患者をriskにさらすことは避けないといけない。マーティング目的のrandomized neoadjuvant trialは再発high riskかつER-群に行うべき。またaccerated approval と同時にconfirmatorory trialを行う必要がある。

http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMp1205737