2012年3月28日水曜日

NSABP B-24関連記事 3件

Adjuvant Tamoxifen Reduces Subsequent Breast Cancer in Women With Estrogen Receptor–Positive Ductal Carcinoma in Situ: A Study Based on NSABP Protocol B-24
D. Craig Allred, Stewart J. Anderson, Soonmyung Paik, D. Lawrence Wickerham, Iris D. Nagtegaal, Sandra M. Swain, Elefetherios P. Mamounas, Thomas B. Julian, Charles E. Geyer Jr, Joseph P. Costantino, Stephanie R. Land, and Norman Wolmark
JCO published online on March


http://jco.ascopubs.org/content/early/2012/03/05/JCO.2010.34.0141.full.pdf+html

B-24のOriginal study populationの41%(732人)におけるレセプター発現状況を評価した。うち449人は中央解析され、残りの283人は登録施設での解析。レセプター発現状況別のTAMの効果を評価した。フォローアップの中央値は14.5年。
*NSABP B-24: DCIS患者 1804人が登録。 手術+RT+プラセボ vs 手術+RT+TAMの試験。5年でのイベント数TAM群8.2%、プラセボ群13.4%とTAM群がよかった。OSに差はなし。
(結果) ER陽性は76%。 ER陽性DCISでTAM投与群は10年の時点での乳がん発生率が51%減少。Over-allのフォローアップでは40%の減少。ER陰性にはベネフィットなし。
(結論)ER陽性DCISにはAdjuvant TAMを考慮すべし。

Editorials

Refining the Use of Endocrine Therapy for Ductal Carcinoma In Situ
Monica Morrow
JCO published online on March 5, 2012; DOI:10.1200/JCO.2011.40.5514. [PDF]

http://jco.ascopubs.org/content/early/2012/03/05/JCO.2011.40.5514.full.pdf+html


TAMの使用により、local recurrenceとcontralateral breat cancerは減る。しかし、ベネフィットの絶対値は非常に少なく、適応に関する個別化が重要な問題であった。
統計学的には有意だが、イベントの絶対差が5・2%と少なく、B-24がpublishされた後も、DCIS後のTAM使用は、それほど広まっていない。
今回のレトロの解析であるが、ER陽性のみに限るとReductionの絶対差が11%に上昇する。また、preventionの効果もある。この研究で、もっともTAMの利益を受けやすい患者のサブグループがrefineされた。つまり、両側乳房が温存されていて、リスクの高い閉経前女性とER陽性DCISである。
今回の結果はレトロの解析で、レベル1エビデンスではないが、解析されなかった残りの患者背景と比べても差はないし、他の浸潤がんの大規模臨床試験で見られた結果とも合うので、信頼性は高い。
もうひとつ興味深い点は、methodologyに関する部分。中央と地方で、両方解析が行われた例が102人あって、そのうちER statusが一致したのは74.5%しかなかった。もしかしたら、TAMの恩恵をうける患者がunderestimateされているかもしれない。
Mammary Prevention Trail.3で片側DCISで乳切後患者が112人登録されて、exemestaneの予防効果を認めた。イベント数が不十分ではあるが、有効な可能性はあるだろう。今後AIの有効性についてはNSABP B-35やIBISⅡ Trialの結果が待たれる。
結局、どのくらいベネフィットがあればTAMを使ってもよいのか?ということになるが、DCISに関してはSurvival benefitはない。乳がん発生イベント率とコスト、副作用をみながら考える必要があるが、7%のReductionがあるなら妥当か。最近は予防的乳切も増えてきており、ますます、イベント数が減ってくるので将来はTAMの有効性を議論する価値は少なくなってくるかもしれない。

Understanding the Pathway:
Estrogen Receptor in Breast Ductal Carcinoma in Situ: Good Cop, Bad Cop?
Andrea DeCensi, Giancarlo Pruneri, and Aliana Guerrieri-Gonzaga
JCO published online on March 5, 2012; DOI:10.1200/JCO.2011.40.7494

http://jco.ascopubs.org/content/early/2012/03/05/JCO.2011.40.7494.full.pdf+html?sid=0a79fd6b-85aa-44d9-910b-2f7af9ff96ba

B-24でER陽性ではDCISにTAMを使うことでrecurrenceと浸潤がんへのProgressionが減ることが示された。一般的にER陽性は内分泌療法のGoor Predictor (Good Cop) だが、過去にはBad Prognosis (Bad Cop) といわれるStudyもある。DCISもきちんと免疫染色をして陽性の場合はTAMを使った方がよいのでは。

2012年3月25日日曜日

OSとPFS

OSの延長が真のTreatment Goalか? Practiceとtrial setting では違う役割を担っているかもしれない。がん患者の多くはほんのわずかなbenefitを得るために多くの代償を払っているので、今後はsurvival延長以外にもアセスメントが必要になってくる。
とはいうものの、OSが、直接的かつ普遍的な「measure of treatment benefit」であることは間違いなく、ほとんどの臨床試験はOSをエンドポイントにしている。
ただし、クロスオーバーやpost-trial therapyのために、とりわけ再発乳がんでOSを延長するのは難しい。近年の進行乳がんP-Ⅲtrialでは20%にOS延長を見たが、そのうちOSがprimary end-pointであったのは6.6%にすぎない。
OSのsurrogacy候補としてPFSが挙げられるが、PFSには様々なBiasがあり注意を要する。
結局のところ、結論があるわけではないが、Practiceとしては、患者のSurvival延長がprincipal goalだけれど、多くの治療が存在するので、副作用がOSに影響を与えない限り、PFSの優れたものをsequentialに使っていくしかないと・・・



JCOより。

Overall Survival: Patient Outcome, Therapeutic
Objective, Clinical Trial End Point, or Public
Health Measure?


http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fjco.ascopubs.org%2Fcontent%2Fearly%2F2012%2F03%2F05%2FJCO.2011.38.6359.full.pdf%2Bhtml&h=iAQHeLX5DAQEmx6Sjn9RzWB5hArfIJdYZJblNMYPdruZKaw

2012年3月3日土曜日

浸潤性小葉癌


小型の異型細胞が間質にパラパラと浸潤
浸潤性小葉癌

・全乳癌の8%
・浸潤性乳管癌と比べて
両側性が多い
多中心性が多い
ER陽性が多い  
予後は同等あるいは良好

E-カドヘリン陰性
・腹膜や髄膜、腸管など、特異的な部位に転移することがある。 
エコー像は硬癌に少し似ている