2013年2月12日火曜日

EBMとは?

科学的根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine, EBM)という言葉をよく耳にすると思います。

科学的根拠とは、「偶然」とか「ひいき目(バイアス)」を極力除いた臨床試験によって示された「真実」のことをいいます。

例えば、「乳癌にAという薬とBという薬のどちらが効くか?」を証明するために、「偶然・ひいき目」を排除した臨床試験がランダム化比較試験です。

 ランダム化比較試験とはA(標準治療)とB(効果が期待される実験的治療)の治療法をランダムに選択し治療を行います。

例えば、5人のうちAの方が効いた人が2人、Bの方が効いた人が3人だった場合、Bの方が有効と言えるでしょうか?

しかし、5000人のうち、Aの方が2000人、Bの方が3000人なら、Bの方がなんとなく効きそうですね。

そうです、臨床試験で有効性を証明するためには多くの患者さんの協力と、それを科学的に証明する統計学という手法が必要になってきます。

 そのランダム化比較試験によって証明された治療法が「標準治療」となるのです。

ノルバデックスなどの術後補助療法のお薬はランダム化試験で有効性が示されていますし、乳房部分切除術+放射線治療と乳房切除術もランダム化試験で生存率の同等性が示されています。

 しかし、多くの書店に並ぶ「がんに効く!〇〇療法」といったたぐいのものは科学的根拠がないものがほとんどではないでしょうか?