2013年2月27日水曜日

ホルモン療法の副作用

薬の副作用は抗癌剤だけではありません。
内分泌治療を行っている患者さんにも副作用はあります。
特徴的なのは、「のぼせ」 「関節痛」 などです。
しかしながら、抗癌剤の副作用に比べたら「軽い」とされ、なかなか人に分かってもらえないという患者さんも多いようです。
昨年末に、タモキシフェンの10年投与の有効性が示されました。(下のリンクを参照ください)
今後このように「長期的な」内分泌療法を行う方が増えてくると思います。つらいと感じたら遠慮せずに相談してください。医師だけでなく、看護師、薬剤師でもかまいません。
なかなかすっきりとした解決法はないのですが、つらさを共有することはできると思います。
http://www.cancerit.jp/20387.html


ホルモン療法の副作用に関するガイドラインのリンクはこちら↓
http://jbcsfpguideline.jp/category3/043.html

2013年2月17日日曜日

業者さんの補整下着相談会にお邪魔しました

乳がん手術後の患者さんの補整について、専門のインナーを取り扱う会社では

補整下着に関して どの様なアドバイスがいただけるのかが気になり、

先日、ワコールの補整下着相談会にお邪魔しました。

http://www.wacoal.jp/remamma/information/consultation.html


 
 
このように、沢山の種類の パットや下着のサンプルがあり、
 
患者さんの好みや 生活に合ったものを提供できるよう、
 
専門のスタッフの方が待機されています。
 
当院にもいくつか 補整下着やパットのサンプルを置いていますが、
 
当院とは比べ物にならないくらい 沢山の種類がありますので、
 
患者さんは安心して相談にいけるのではないかと思います。
 
当日の購入は出来ませんが 試着室もあり ゆっくりと自分にあったものを選ぶことができそうです。
 
 
そして、患者さんの使いやすいものを という点では、新しい商品も開発されています。
 
シリコンパットの場合、夏場の汗などによる ムレなどが気になりますが、
 
今回は、皮膚密着面の温度が快適な温度に保てるというシリコンパットを見せていただきました。
 



 
 
 
 
 
 
 
 
乳房切除に限らず、温存術の場合でも 
 
部分的に補整をしたいところがあれば部分用パットや温存用のシリコンパットがあります。
 


年齢や乳房の大きさ、術式に関わらず 手術を受けられた患者さん皆さんに
 
このような情報が届けられ、女性が女性らしく 術前の笑顔をみることができるよう
 
スタッフも日々勉強中です。



 

2013年2月12日火曜日

EBMとは?

科学的根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine, EBM)という言葉をよく耳にすると思います。

科学的根拠とは、「偶然」とか「ひいき目(バイアス)」を極力除いた臨床試験によって示された「真実」のことをいいます。

例えば、「乳癌にAという薬とBという薬のどちらが効くか?」を証明するために、「偶然・ひいき目」を排除した臨床試験がランダム化比較試験です。

 ランダム化比較試験とはA(標準治療)とB(効果が期待される実験的治療)の治療法をランダムに選択し治療を行います。

例えば、5人のうちAの方が効いた人が2人、Bの方が効いた人が3人だった場合、Bの方が有効と言えるでしょうか?

しかし、5000人のうち、Aの方が2000人、Bの方が3000人なら、Bの方がなんとなく効きそうですね。

そうです、臨床試験で有効性を証明するためには多くの患者さんの協力と、それを科学的に証明する統計学という手法が必要になってきます。

 そのランダム化比較試験によって証明された治療法が「標準治療」となるのです。

ノルバデックスなどの術後補助療法のお薬はランダム化試験で有効性が示されていますし、乳房部分切除術+放射線治療と乳房切除術もランダム化試験で生存率の同等性が示されています。

 しかし、多くの書店に並ぶ「がんに効く!〇〇療法」といったたぐいのものは科学的根拠がないものがほとんどではないでしょうか?

2013年2月6日水曜日

人工乳房

昨日は人工乳房の院内セミナーでした。

癌で乳房を失った方に対して、オーダーメイドの人工乳房というものがあります。
値段は安くはないですが、「再建手術まではしなくていいけど、あれば温泉に行けるのに・・・」と思っている方には良いかもしれません。


2013年2月1日金曜日

病理カンファレンス・・・アポクリン癌

アポクリン癌

・特殊型乳がんのひとつ。
・発生頻度は0.450.65%といわれている。
・予後は良好?不良?・・・報告によってまちまち。
・やや高齢者に多い。
・トリプルネガティブの症例が多い。

・病理像で、癌細胞はアポクリン化性細胞像を呈する。(好酸性顆粒をもつ広い細胞質)
・癌巣は索状、管状、充実性とあらゆる形態を呈して一定の方向性はなく、通常の浸潤性
・乳管癌と同様の構築を呈する。

 

参考文献; 金原出版 乳腺腫瘍学 


アポクリン癌の肉眼所見