1889年にPagetにより提唱された。
「転移は転移能を有した癌細胞が、増殖に適した微小環境を有する臓器にのみ形成する」
これを証明するためにFidlerが導き出した理論
①癌細胞は生物学的に不均一
②遺伝子が不安定
③少数の転移能を有した癌細胞が選択され、増殖して転移を形成する
④複数の連続する全ての過程をクリアできる癌細胞のみが転移巣を形成する
⑤転移の全ての過程は正常細胞(微小環境)との複雑な相互反応の上に成り立つ
金沢大学 矢野聖二教授の講演より
2012年6月19日火曜日
2012年6月18日月曜日
ASCO 2012 より
ASCO 2012から、GeparTrio StudyにおけるKi67と予後の関係。
術後のKi67を中央解析。(N=1151)
pCR (N=484)
Ki67 low (0-15%, N=488)
Ki67 intermediate (15.1-35%, N=77)
Ki67 high (35.1-100%, N-102)
結果
・小葉癌以外では、術後のKi67 highとそれ以外でDFSとOSに差がある。
*術後のKi67 highは予後不良。DFSでHR 1.64(1.45-1.85),OSでHR1.82 (1.57-2.12)
・Response-guided群とconventional treatment群では術後のKi67には差はなかった。
・最終的なKi67によって高再発リスク群を同定でき、それらにはadditional post-surgical treatmentの必要性がでてくるかもしれない。
*GeparTrio Study 復習
術前化学療法の感受性により薬剤や治療期間を変えることがDFSの延長につながるかどうかを見た試験。
患者: 腫瘍径 T2-T4(腫瘍径4cm以上が6割)、リンパ節転移 N0-3(N+が約半数) (35歳以上で、ER/PgR陽性、N0、Grade1~2といったLow Riskは除外)
デザイン: まず、TACを2サイクル行い、USで効果判定。
NCの場合・・・NX(ナベルビン/ゼローダ)療法に変更する群とそのままTACを計6サイクル行う群にRandomizeする。
CR/PRの場合・・・TACを計8サイクル行う群と、TAC6サイクルで終了する群にRandomize。
*TAC-NAとTAC8サイクルをresponse-guided treatment、TAC6サイクルをconventional treatmentとしている。
結果:
pCR rateはTAC×6 vs TAC-NX, TAC×6 vs TAC×8で差なし。
しかし、DFS、OSともresponse-guided treatment (N=987)がconventional treatment (N=1025)より有意に延長された。(観察期間の中央値は62ヶ月)
DFS : HR 0.71 (95% CI 0.6-0.85) P<0.001
OS: HR 0.79(95% CI 0.63-0.99) P=0.048
サブグループ解析では、Luminal TypeのみDFSに有意差が出ている。(Her2+Non-luminalとTNBCでは治療を変えてもDFSの延長なし)
考察:
Luminal TypeでのResponse-guided treatmentの有効性が示された。それだけ乳癌細胞にHeterogeneityがあるということなのだろう。またpCRが予後の指標にならないことも注意。逆にTNBCでは(この試験の)response-guided treatmentでは予後は変わらない。Host側の悪性度に打ち勝つだけのレジメがまだまだ少ないということなのか。
日本ではTAC療法は一般的ではない。当院での術前化学療法の標準はFEC100×4 →DOC×4 なのでこのエビデンスの外的妥当性を検討する必要がある。
2012年6月9日土曜日
第43回兵庫乳腺疾患研究会
当院から2演題発表。
・再発後の内分泌療法に関する演題
・乳管腺葉区域切除術に関する演題
その後は、愛知県がんセンター中央病院 岩田先生の基調講演。
「Luminal タイプの進行再発乳癌」
・再発後の内分泌療法に関する演題
・乳管腺葉区域切除術に関する演題
その後は、愛知県がんセンター中央病院 岩田先生の基調講演。
「Luminal タイプの進行再発乳癌」
岩田先生講演会まとめ
・MBC settingでluminal A or Bに分ける必要はない。
・再発巣のbiopsyについて、原発とのdiscordanceはあるかもしれないが、患者さんがbiopsyによって受けるメリットはそれほどない。原発HR(-)→再発HR(-)なら少しあるかも。
・DTC:早期でも約30%は骨髄中にある。
・tumor dormancyのお話。(indirect metastasisという言葉を使っておられた)
・愛知がんセンターのdata: HR(+)の再発例で24%が5年目以降のlate recurrence。
・ASCOの話題:GeparTrioでのKi67・・・post-treatmentのki67が重要。HR(+)でpost-treatmentのKi67 high(30%以上)はpoor prognosis
MINDACT trial ・・・basal-like(61例)のうち12例は免疫染色で分類するとluminal typeになってしまう。
・StageⅣにおける原発巣切除の意義・・・seed & soil theory について。
・再発治療においてこそ、病院のチーム力が問われる。
2012年6月7日木曜日
2012年6月5日火曜日
2012年6月2日土曜日
NEJMのcase report
NEJMのCase report
32歳、HER2 typeのStageⅣ breast cancer
First lineでTCH×8サイクル
肝転移CRとなり、Tのみでmaintenance
局所コントロールのためにMastectomyもしている。
32歳、HER2 typeのStageⅣ breast cancer
First lineでTCH×8サイクル
肝転移CRとなり、Tのみでmaintenance
局所コントロールのためにMastectomyもしている。
Aggressiveな治療が奏効している、興味深い症例です。
登録:
投稿 (Atom)