2012年9月29日土曜日

CYP2D6の影響について。。ノルバデックス



CYP2D6の影響について。。
ノルバデックスとの併用に注意を要する院内採用品目をピックアップしてみました。


ノルバデックス(タモキシフェン)と併用に注意が必要な薬剤一覧表  
院内処方採用薬品(内服)CYP2D6 阻害薬品一覧




J Clin Oncol. 2010 Jun 1;28(16):2768-76. Epub 2010 May 3
Coprescription of tamoxifen and medications that inhibit CYP2D6


相互作用を調べるきっかけは、やはりCYP2D6による代謝を受けるトラマールとノルバデックスを併用した際の影響が話題になったからです。しかし、肝心のその2剤の阻害程度はわかりませんでした。メーカーからの回答は「それぞれの効果が減弱する可能性がある。」。。
また何かわかり次第報告します。
阻害程度の高い、タモキシフェンとパロキセチンの併用はタモキシフェンの作用が減弱する可能性があり、海外での検討試験において乳がんによる死亡リスクの上昇が認められています。

以下詳細です。

タモキシフェンによる治療を行った66歳以上の女性患者で、1種類のSSRIを併用投与されたことのある2,430例を対象に、SSRIがタモキシフェンの効果に及ぼす影響を検討した海外の試験において、乳がんによる死亡リスクは、パロキセチンとの併用期間がタモキシフェン投与期間の25%、50%または75%のとき、それぞれ24%、54%および91%上昇した。
タモキシフェンは、肝で薬物代謝酵素P450CYP2D6の関与を受けて、活性代謝物であるエンドキシフェンに変換されて効果を発揮。このため、CYP2D6を阻害する薬剤との併用により血漿中エンドキシフェン濃度が上昇せず、タモキシフェンの有効性が損なわれる可能性があります。
パロキセチンはCYP2D6阻害作用を示すため、エンドキシフェン濃度が低下し、タモキシフェンの作用が減弱する可能性があり、「使用上の注意」において注意を喚起しています。


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