2012年9月26日水曜日

メトロノミック治療について


本日の化学療法カンファレンスではメトロノミック治療について議論しました。

【メトロノミック治療とは?】
・メトロノームのように一定の速度で継続的に投与すること。
・ゆっくり長く効かせ、癌の再増殖を先延ばしにする。
・血管新生を抑える。
・癌細胞と血管内皮細胞の相互作用を阻害
などの効果が期待されている。

 
 【メトロノミック治療で使われる薬剤と問題点】

・経口5-FU剤が乳癌領域では多い。
5-FUの場合、「メトロノミックな投与方法」が良いのは「時間依存性に効果が高い」という5-FUに代表される代謝拮抗薬の特性による。つまり、メトロノミック治療の定義をどう考えるか議論が必要。
・エビデンスがまだ不足している。

 
【新しい臨床試験】

・当院はER陽性、HER2陰性乳癌に対するS-1術後療法P-3試験に参加しています。
StageⅠ~Ⅲまでの浸潤癌の方を対象に、術後内分泌療法5 vs 内分泌療法5年+S-1 1年の効果を確かめる臨床試験です。

メトロノミック治療のリンク↓
この臨床試験のPIである、戸井教授のインタビューです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/cancerex/jbcs08-1.pdf