2017年2月12日日曜日

早期緩和ケアの有用性

Early Palliative Care for Patients with Metastatic Non–Small-Cell Lung Cancer

主要評価項目ではないが、早期緩和ケアが生存期間を延ばすことを示した有名な論文。

P
転移性非小細胞性肺がん
診断から8週間以内に登録
ECOG PS 0,1, or 2

E
早期緩和ケア介入群
資格を持った緩和ケア医とadvanced practice nurseに登録後3週間以内に面談。その後は少なくとも月に1回、死亡まで外来で診察をうけた。追加の診察に関しては、患者、腫瘍医、緩和ケア提供者の判断で行った。
外来での緩和ケアに関する一般的なガイドラインはNational Consensus Project for Quality Palliative Careが適応された。

C
スタンダードケア群
患者あるいは家族、腫瘍医の要望がなければ、緩和ケア科の診察ははい。

O
主要評価項目
ベースラインから12週間目のQoLtrial outcome index; Trial Outcome IndexFACT-L質問票のうち身体症状、活動状況及びその他の心配な点のスコアを総合したもの)の変化。
FACT-L, Functional Assessment of Cancer Therapy-Lung)  
MoodHADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)PHQ-9(Patient Health Questionnaire 9)で評価された。
*medium effect size 0.5SD2群間の差を有意とし、検出率80%としてサンプルサイズは120とされた


RESULT
151人の患者が無作為化された。うち27人が12週目までに死亡し、残りの患者のうち86%の107人が12週目での評価が可能であった。
早期緩和ケア介入群は非介入群と比べて、12週目のFACT-Lスコアが高くなっていた(スコアが高い方がQoL良好, 98.0 vs. 91.5; P=0.03)
うつ症状は早期緩和ケア群で減少していた。(16% vs. 38%, P=0.01)
生存期間は早期緩和ケア群で有意に延長していた。(11.6 months vs. 8.9 months, P=0.02).