2012年2月15日水曜日

Sclerosing adenosis (硬化性腺症)

2月14日の病理カンファレンスでの検討例

マンモトーム検査にてsclerosing adenosisと診断した例。

・sclerosing adenosisについて

・線維性間質の著明な増生→これにより乳管が圧排、捻局された像。
・硬癌と紛らわしい。
・鑑別に免疫染色(サイトケラチン、SMA、p63等)が有用 → 2相性を確認する。
・乳癌罹患の相対危険度 → 少しだけ高い。(1.5倍程度)

2012年2月11日土曜日

サンアントニオ2011講演会

今日は兵庫医大、三好教授の講演会でした。
(講演内容のまとめ)

・Luminal Aタイプで再発を起こしてくるもの・・・
 Early relapseとLate relapseを分けて考える必要あり。
 
・術前内分泌療法におけるki67低下率を考える。
  IMPACT試験より。
  *ホルモン療法開始2週間後の生検でki67が低下していない・・・・De-novo resistance
  *2週間後では低下していたが、12週間後では再上昇していた・・・・aquired resistance
 
  Early relapseやDe-novoには化学療法
  Late relapseやaquiedにはExtend内分泌療法やmTOR阻害剤??

・NACについて・・・・
 治療後のBiologyがmicrometastasisのBiologyと同じ可能性。
 再発予防のためには術前治療後のBioloyを考えた戦略が重要になるかもしれない。

・NAC後のpCRの意義について

・アバスチンのバイオマーカーについて

等など・・・いつもながら勉強になりました。

2012年2月1日水曜日

Chemobrainについて


時にAdjuvant EC後に、物忘れがひどくなったと訴えられる方がいます。ちょうど1月のJCOにChemobrainについての興味深い論文とEditorialを見つけましたのでご紹介します。

論文はこちら↓

Longitudinal Assessment of Chemotherapy-Induced Structural Changes in Cerebral White Matter and Its Correlation With Impaired Cognitive Functioning http://jco.ascopubs.org/content/30/3/274.short


またEditorialの本文はこちら↓

“Doctor, Will the Treatment You Are Recommending Cause Chemobrain?” http://jco.ascopubs.org/content/30/3/229.full?sid=5eb3269a-c62e-47e7-b4cb-240793452f33



Editorialの中で、cognitive complaints after chemotherapyついてDr.Ganzは以下の様に述べています。
「以前はそういうことはChemotherapyとは関係ないと考えられてきた。理由としては、薬剤がblood-brain-barrierを通過しないといったことや、化学閉経による影響が大きいと思われていたからだ。
しかし、最近の研究ではChemotherapyがトリガーとなってsystemic inflammationが起こり、2次的に中枢神経系へ影響を与えることが分かってきた。また、炎症に反応した免疫細胞がBBBを通過して、感情や認知機能に影響をあたえる可能性もある。
今回のJCOのDeprezらの論文では、閉経前の早期乳癌患者でChemoを受ける群(n=34)とコントロール(Chemoを受けない乳癌患者n=16、健常人n=19)を比較してChemotherapy群に有意にcognitive functioning低下があるとした。
Nが少なく、他のバイアスも色々あるのも確かだが、cancer treatment後にcognitive difficultyがある患者をdismissedしてはいけない。
もちろん化学療法によってもたらされる効果は大きく、cognitive difficultiesを恐れて適応を除外するべきではないが、我々はsurvivorに対する効果的なリハビリやアウトカム改善を目指した治療を見つける努力が必要だ。」
そして最後に、
We can no longer deny the existence of this long-term effect of cancer treatment
と締めくくっていました。